しなやかに「結果」を出す

同窓会という特殊な環境でのPR活動ですから、人員や予算など、様々な制約がありました。しかしながら、結果として、KCJのPR活動は活性化し、本校に表彰されたり、アメリカのトップ５といわれるビジネススクールからもベンチマークされる程、高く評価されました。ケロッグ校の強みである「コラボレーション」が上手く発揮され、多くの卒業生から、協力を得られたからです。これは星野さんのリーダーシップがあったからこその成果だと確信しています。

星野さんには、「同窓会だからこんなことは出来ない」という発想がありません。ですから、どんどん新しいアイデアを提案し、実行することを奨励されました。目標達成にフォーカスする。そこに到達するためなら、過去の慣例などにはこだわらない、という姿勢を持っていらっしゃいます。それを、気負うことなく、しなやかに行われるのです。

心の知能指数といわれる「EQ」の高さ

メディアで星野さんがお話されている姿を見ると、その優し気で素朴な雰囲気に、会ったことがない方でも親近感を覚えるでしょう。実際、KCJのディスカッションの場でも、決してトップ目線で話さず、周囲の意見を傾聴し、ロジックで勝負するフェアな方です。そして、「みんなが言いたいけれど、なかなか言えない」こともスラッと仰います。

集団の中では、良いアイデアを時に発言しにくいものですが、星野さんには忖度や保身目的の発言が一切ありません。自分のためではなく、お客様のため、組織・企業のため、社会のためといった視点で、行動されるからこそできる事だと思います。

心の知能指数といわれる「EQ」の高いリーダーとは、まさに星野さんのことだと思います。非常に多忙なスケジュールの中、返信いただいたメールを読むと、まるで実際に見聞きしたかのように、こちらの状況を把握されていて、励まされます。これは、相手の目線に立ち、人を大切にしようという姿勢でなければできないことです。星野さんのしなやかなコミュニケーション、人間関係構築力から、私も大きく影響を受け、学んでいます。

「なぜ？」という問いかけで、変革を起こす

星野さんは人の潜在能力を引き出し、チームワークを創出するコラボレーション・リーダー、「イノベーションのプロ」だと思います。しかも、それをグローバルな立場で行える非常に稀有な方です。

サミットのオンライン講演の中でも仰っていますが、星野さんは頻繁に「なぜ？」という質問を繰り返します。大きなビジョンを見据えながら、０ベースで考えよう、過去にとらわれず、現在の最適解を見つけよう、と促してくださっているのです。

マーケターとして、ビジネスプロフェッショナルとして、現状をより良く変革していきたいと思われている方には、星野さんの講演をおススメします。星野さんはパッション（情熱）を重要視されます。大きな変革を成し遂げようと決意した時、つい専門的で難解な考え方をしたり、過去の慣例や常識にとらわれがちです。ですが、星野さんのお話を聞くと、「『小さな問い』から、変革は始められる」、「難しく考えなくてもいいよ」といった希望を感じられるでしょう。

現在、星野さんは、日産自動車の副社長として、「Beyond Mobility」を推進し、自動車業界の枠を超え、次々と素晴らしいイノベーションを先導されています。世界では、地球環境を守るためのソリューションとして、EV, 自動運転に注目が集まっており、星野さんの活動は、今後も目が離せないものになっていくのだと確信しています。

INTERVIEWEE　語り手

ケイティ堀内

H&Kグローバル・コネクションズ 共同創業者 代表
グローバル・プロデューサー/　ディレクター

ノースウェスタン大学・ケロッグ経営大学院にてMBAを取得。アメリカでベンチャー企業、帰国後は大手外資系企業を経て、2006年H＆Kグローバルコミュニケションズを設立。言語・国を超え、人の心を動かすのは「ストーリー」であるとし、理念・人・世界をつなぐグローバル・コンテンツを軸に、ブランド・プロデュース事業を展開。大阪大学「国際キャリア学入門」の非常勤講師も務めた。ユーモアと親しみやすさが評判の一児の母。

H&Kグローバル・コネクションズ
https://hkgc.jp

SPEAKER　講師

星野 朝子

日産自動車株式会社 執行役副社長

講演内容

「2050年までに脱炭素化」　EVを中心とした日産のマーケティング戦略“Decarbonization by 2050” Nissan’s Marketing Strategy Focusing on EVs