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【講演レビュー記事】 コトラー教授を広島県へ招聘したキーパーソン
「マーケティング分野の頂点の人が、平和とマーケティングについて考えていらっしゃることを非常に嬉しく思いました」、と、本講演で、当時を振り返っているのは、広島県知事・湯崎英彦氏である。
世界的平和、争いの根絶、核兵器問題・・・これらについて考える時、多くの人は「広島」を想起するだろう。人類史上、初の原子爆弾が投下された広島は、日本のみならず世界中で知られる場所である。
湯崎知事は、広島を平和実現の拠点として位置付け、ビジネスの力で平和を推進するために、「国際平和のための世界経済人会議」をはじめ、さまざまな活動を行っている。
湯崎知事が、マーケティングと世界平和の融合について考えるきっかけになったのは、2013年12月の日経新聞「私の履歴書」に掲載されたコトラー教授の記事を読んだことがきっかけだったという。
その後、2016年にコトラー教授を広島県へ招聘し、「国際平和のための世界経済人会議」での基調講演を実現。多くのスピーカーや参加者と共に、広島県におけるビジネスによる平和実現の取り組みの大きな転換点となった。
本講演では、湯崎知事は、コトラー教授が掲げた平和のマーケティングについての4つの課題と、ピースメーキングを世界規模で推進していくための3つの提言、そして広島県の平和推進プロジェクトについて、スライドで、詳細に紹介している。
人類や地球の持続可能性には、積極的平和、人間の安全保障、SDGsが大きく影響するとし、核兵器問題とも結びつけて、これらに意欲的に取り組む広島からのメッセージは、産官学の垣根を越えて、大いに参考になるだろう。
本講演を、コトラー教授による「平和とビジネスの未来」の講演と合わせて視聴することで、コトラー教授が語っている 「マーケターとしての考え方」を実践する広島県の取り組みへの理解を深めることができる。
広島県の取り組みは、政府、企業、NGOやNPOというあらゆる立場の方にとって、平和が基盤にあってこそ、真の持続可能な社会が成立することの再確認させてくれると共に、自分たちが出来ることを考えるきっかけとなるだろう。
(ワールド マーケティング サミット編集部)
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2016年コトラー教授が広島にて参加した会議 「国際平和のための世界経済人会議~平和のためのマーケティング~」ハイライト映像
映像提供:広島県 / 制作:H&Kグローバル・コネクションズ