連載「プロが選んだオススメ講演」
第3回 プロが選んだおススメ講演 板橋祐一 富士フイルム株式会社 デジタルマーケティング戦略推進室長
“海外でしか聞けなかった高名なスピーカーたちの講演が、アーカイブ動画で学べる”
アフターコロナの未来に備える フィリップ・コトラー教授
まず最初に、やっぱりコトラー先生はすごいな、と思いましたね。コトラー先生は、去年のサミットと全く違った新しい話をなさっておられ、アフターコロナということに対して、いかにあるべきかという視点や、未来について語られていました。
一番印象に残ったのは、コトラー先生が、「中国は人命を最優先した」とおっしゃられたところです。ちょっとドキッとしましたよね。僕の頭の中で、今まで、中国ってあまり人命を大事にしない国だという印象があったのですが、確かにそうだなと思いました。そして講演の最後では、「5年後に同じ仕事をしていては駄目だよ」という、いつものメッセージをくださいました。先生のお話は、相変わらずフレッシュで、示唆に富んでいると思います。
実は、今年の3月、当社の会長古森とコトラー教授の共著を出版しました(題名:Never Stop -Winning Through Innovation-)。こちらは英語版ですが、現在、日本語版についても出版の準備を進めております。ぜひ楽しみにしてください。
21世紀に成功するポジショニングの原則 ローラ・ライズ氏
私の一押しは、ローラ・ライズさんです。彼女の話は、去年と比較的似た話が多いんですけれども、まだ聞いたことない方にはおすすめします。ブランド、デジタル化、また事例として、コダックvs 富士フイルムの話もでてきます。彼女の本にも出てますけども、世界で戦うための5つのポジショニングの原則の話は、非常に示唆に富んだ内容でした。
デザイナーの知見を活かす マウロ・ポルシニ氏
マウロ・ポルシニ氏の講演は、去年、イタリアで聞いたのですが、普段ニューヨークにいる方で、デザイナーとしての非常に幅広い知見に富んだお話をなさっていて、きっと今年も面白いお話が期待できると思います。
NRPSメソッドとは 高岡浩三氏
いつもの高岡節ではありながら、新しいコンセプトもおっしゃっておられて、ニュー・リアリティー・プロブレム・ソリューション・メソッド(NRPS: New Reality Problem Solvingメソッド)というフレームワークをご提案されていました。僕は初めてこの話を聞いたのですが、非常に参考になりました。それから、お客さんが気づいてない問題は、調査やリサーチで見出すことはできない、という視点も面白かったです。新たな現実を設定して、顧客の課題を見出すということが大事だということを、自分自身の実務家としての経験と照らし合わせて、納得感があり非常に深く刺さったなあと思います。
サミット全体の感想とおススメ活用法
高名なスピーカー方々の講演が、それぞれの立場で、新たな視点で話されている内容であると感じました。これほどリッチな内容なのに、アーカイブ動画で聞くと、ずいぶんとお得な値段となっています。今まで、何万円も出して、半日や1日のご講演を、日本や海外に行って聞いていましたが、今回、80本以上の講演をアーカイブで視聴し放題ですので、大変お得になっているなと思いました。ぜひ講演を活用していただきたいなというふうに思います。
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第1回 徳力 基彦
“僕は、ワールドマーケティングサミットというのは、未来の予言が含まれていると思う”
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第2回 山本 晶
“著名なマーケティング研究者が一堂に会した貴重な機会。端末2台を駆使して、学びを深めよう。”
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第3回 板橋 祐一
“海外でしか聞けなかった高名なスピーカーたちの講演が、アーカイブ動画で学べる”
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第4回 石橋 昌文
“デジタルを活用し、グローバルに開催。さまざまなトピックから、興味がある分野の講演を自由に選べる”
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第5回 江端 浩人
“マーケターの視点で先を読み、問題解決することで、ビジネスに価値を加えられる”
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第6回 鈴木 智子
“今回のeWMSでは、ヒューマニズムへの回帰が印象に残りました”
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第7回 加治 慶光
“アーカイブ動画を長期間 見ることができる今年のサミット。本を一緒に読むことで、学びが立体的になる”