連載「プロが選んだオススメ講演」
第5回 プロが選んだおススメ講演 江端浩人 iU情報経営イノベーション専門職大学 教授
“マーケターの視点で先を読み、問題解決することで、ビジネスに価値を加えられる”
マーケターの視点から 高岡浩三氏
高岡さんの講演の中で、NRPS (New Reality Problem Solving)の話が良かったです。現在の技術で出来ることは沢山ありますが、人々の生活や社会が変化していく。その中で、まだ見つけられてない、解決されてない問題を、いかに先んじて発見し、解決していくことが重要だ、というお話をされていました。高岡さんは、元ネスレのCEOなので、ネスレ日本が提供されている“ネスカフェ アンバサダー”の仕組みもそうやって出来たのだというお話がされていて、すごく面白かったです。
Z世代との向き合い方 サディア・キブリア氏
日本では、まだそこまで顕著になっていませんが、将来の消費を引っ張っていくジェネレーションとして、Z世代の重要性を強調されていました。その点でとても面白いと思います。
サミット全体の感想とおススメ活用法
今、デジタル化できなくて、苦しんでる業種があります。例えば、カラオケのお店は、Wi-Fiと防音という設備があり、会議に最適なのに、そういうことはあんまり打ち出していません。もし、マーケティングの視点があれば、持っているものを組み合わせて、新しいバリュー(=価値)として提案できるのです。
日本政府のデジタル庁についても、マーケティングの視点を持たずに、何でもデジタルに置き換えるだけだと、かえって不便になることも出てくるだろうと危惧したりします。
今年10月に出版した「マーケティング視点のDX」という本でも書いたのですが、マーケターの視点で先を読んで、問題を解決することで、ビジネスに価値を加えられるのではないか、と思います。
サミットの活用法についてですが、見所が満載なので、ぜひ、いろんな端末を広げながら、何回も聞いたりしてください。今年のサミットは、ただ形式をデジタルに置き換えただけじゃなくて、それ以上の価値が非常についたようなものになったのかな、と思います。
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第1回 徳力 基彦
“僕は、ワールドマーケティングサミットというのは、未来の予言が含まれていると思う”
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第2回 山本 晶
“著名なマーケティング研究者が一堂に会した貴重な機会。端末2台を駆使して、学びを深めよう。”
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第3回 板橋 祐一
“海外でしか聞けなかった高名なスピーカーたちの講演が、アーカイブ動画で学べる”
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第4回 石橋 昌文
“デジタルを活用し、グローバルに開催。さまざまなトピックから、興味がある分野の講演を自由に選べる”
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第5回 江端 浩人
“マーケターの視点で先を読み、問題解決することで、ビジネスに価値を加えられる”
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第6回 鈴木 智子
“今回のeWMSでは、ヒューマニズムへの回帰が印象に残りました”
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第7回 加治 慶光
“アーカイブ動画を長期間 見ることができる今年のサミット。本を一緒に読むことで、学びが立体的になる”